朱雀 (Suzaku (the Vermilion Bird))

朱雀(すざく・しゅじゃく、ピンイン)とは、中華人民共和国の伝説上の神獣(神鳥)で、四神(四獣・四象)・五行思想の一つ。
南方を守護する。
翼を広げた鳳凰状の鳥形で表される。
朱は赤であり、五行思想では南方の色とされる。
鳳凰、不死鳥と同一視されることがあり、インド神話に登場するガルダとの類似も指摘されている。

また、朱雀は上に由来して寺社の縁起や地方の地誌等に私年号として散見される。
私年号は逸年号とも呼ばれ、日本書紀に現れない年号をいう。
通説では朱鳥の別称、美称であるとされている(坂本太郎_(歴史学者)等の説)。

『続日本紀』神亀元年冬十月条(724年)にはこの記述が見られる。
「白鳳より以来、朱雀以前、年代玄遠にして、尋問明め難し。」

星空の朱雀

中国の星座である二十八宿(月の見かけ上の通り道である白道を28分したもの)は、四神の名によって7宿ずつ4つにまとめられ、それぞれが四神の姿をかたどるとされる。

そのうちの1つ、南方朱雀に属する7宿のうち、中央の「星宿」は、西洋星座のうみへび座の心臓部に当たり、その中心は、うみへび座の主星アルファルドである。
「孤独な者」を意味する名をもつこの2等星は、明るい星の少ない中にあって目立つ星であり、「星」という宿名からもわかるように、中国の天文家にも、最も古くから知られてきた星の一つであった。
このオレンジ色の星が、ライチョウなど羽色が橙色系の胸をもつ鳥とともに、「朱雀」という瑞鳥のイメージの成立に、何らかの形で関与している可能性もある。

なお、同じ南方朱雀の「翼宿」は、朱雀の翼である。

[English Translation]