咫 (Ata (a unit of length used in ancient China and Japan))

咫(あた)は、中国および日本で用いられていた長さの単位である。

中国

説文解字の「咫」に、「周尺の八寸を咫とし、十寸を尺とする」とある。
この「周」とは円周のことであり、咫とは円周の単位であった。
円周率は約 3.14 であるが、これを 3.2 で近似すると、径 1 尺の円 (数学)の円周は 3.2 尺となり、これを 4 咫とした。
従って 1 咫は 0.8 尺である。

日本の八咫鏡は円周 8 咫、すなわち径 2 尺という意味である。
後漢の尺は 23.04センチメートル であるから、直径 46cm 前後の円鏡を指し、現在 4 枚の出土例がある。

日本

「あた」は動詞「あつ(当)」を名詞化したもので、手を開いて測ることを意味する。
具体的には手を開いたときの中指の先から親指の先までの長さを咫としており、これは尺の元々の定義と同じである。
実際、日本書紀では「咫」と書いているものを、古事記では「尺」の字で書いているもの(八尺鏡など)がある。
日本神話では、八咫鏡、八咫烏など「八咫」という長さがよく登場する。

「あた」は「さか」とも言う。
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)も、「尺」の字が宛てられているが本来は「あた」である。

[English Translation]