三大秘法 (Sandaihiho: the Three Great Secret Dharmas)

三大秘法(さんだいひほう)とは、日蓮の仏教における根本的教義であり、本門の本尊、本門の戒壇、本門の題目の3つからなる。
『報恩抄』『法華取要抄』『三大秘法抄』などに記述が見られる。

正式には「法華本門の三大秘法」と言う。
法華経の中心部分の文の底に秘して沈められた法門との意である。

他宗教との比較検討の上から自宗の相対的優位を示すことに主眼が置かれた五綱判(宗教の五箇)に対して、三大秘法は宗旨の三箇と称せられ、絶対的慈悲の立場から一切の対立を超越し包み込もうとする原理として一般には理解される。

解釈は法華宗各派でそれぞれ異なるが、以下、代表的な両極端の例として、日蓮宗と日蓮正宗の例を挙げる。

日蓮宗/法華宗(一般的日蓮系)における三大秘法の解釈

「本門の本尊」:本門の本尊は、伽耶成道の釈尊が、寿量品でみずから久遠常住の如来であることを開顕された仏。

「本門の戒壇」:即是道場の事の戒壇

「本門の題目」:釈尊の悟りの一念三千である南無妙法蓮華経

一致派をはじめとする主流派では、これらは概念上のもの、心の中にあるものとされ、日蓮宗が決めた本尊に向かって、題目を唱えれば、そこが「本門の戒壇」になる、とされる。

日蓮正宗における三大秘法の解釈

「本門の本尊 (日蓮正宗)」:人の本尊は日蓮大聖人、法の本尊は事の一念三千の南無妙法蓮華経。
(大曼荼羅に、この両義が備わっている)

「本門の戒壇」:事の戒壇は本門戒壇大御本尊を安置する処、義の戒壇は御本尊所住の処。

「本門の題目」:信の題目は本門戒壇大御本尊を信じること、行の題目は南無妙法蓮華経と我も唱え、人にも勧めること。

三大秘法の中では、本尊を随一のものとして考えている。
弘安二年(1279年)10月12日宗祖所顕と伝えられる本門戒壇の大御本尊を根源として三大秘法は生み出されているのであり、これを開くと人と法の本尊・事と義の戒壇・信と行の題目の六大秘法となり、さらに開くと仏教八万四千の法門すべてになる。

一大秘宝とは本門の本尊のことである。
すなわち三大秘法総在の大御本尊をいう。
開けば三大秘法となり、六代秘法となるのである。
合すれば一大秘法となる。
(六巻抄の依儀判文抄参照)

その他

第2次世界大戦での敗戦前の国柱会、戦後昭和30年代の日蓮正宗・創価学会、(のち、正本堂建立数年前に批判を受け国立戒壇論を撤回)冨士大石寺顕正会などでは、国立戒壇論の絶対化を掲げた。
戒壇を中心に三大秘法を解釈しようとした稀有な例と言える。

また、特に1951年開始された創価学会の折伏大行進以降になるとスラング的用法として折伏の被害者、熱心な信者即ち加害者双方から信教の自由、民事不介入、少年法の3つが行政、警察、裁判所等公的機関の及び腰な姿勢を示す言葉として三大秘法と表現されるようになった。
特に急進派の団体では若年会員に「強引な折伏で脅迫、放火、逮捕監禁等の罪に実際に問われても、未成年で1回目なら不起訴(ここでは罪を認めた上での『起訴猶予処分』も含む)で済む」とベテラン会員からの指導がなされることも時としてあると各所から情報が発信されている。
各分派ごとで用語、同解釈がまちまちなのが常の日蓮系仏教において珍しく被害者加害者双方で全く同じ用語、解釈となっている。

[English Translation]